部屋に行くと、カーテンからしっぽが出ている。
甘えたい時と不安な時には、こうやってカーテンにくるまってるのだ。
2月、雪がまだ残っている。
昼間にトラックが止まり、何かを置いたようだ。
「みゃーみゃーみゃー」
鳴き声がする。
猫?
「さっきの引っ越し業者かしら。もう、猫なんて捨てちゃって!ついて来られると嫌だから放っておこう」
「そうね」
その前の年、弟が犬を拾ってきた。
母が犬好きだったから飼うつもりだったが飼いきれずに、遠い親戚に預けたのだ。
もう、あんなかわいそうなことはしたくない。
(続く)